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今まで、文章作成の万能ソフトとして疑うことなく使っていたWordだが、その機能について改めて分析してみると、いろいろ不審な点が出てきた。といっても私自身、まだまだWordを完璧に使いこなせていない。そういう現状もあるので、一太郎との比較を通じて出てきたWordの不備に関して、安易に批判することはできない。したがって本論では、一太郎初心者として感じた一太郎の利点と、その利点が日本語の印刷の効率化にどう関わってくるかを、Wordとの比較使用から述べていきたい。
1、 Wordと一太郎を比較使用して気づいたこと
一太郎は今回この授業をきっかけに初めて使用したが、その第一印象は、文字の読みやすさ。一文字一文字、カギかっこや、句読点までもが、全て等間隔で並ぶため、まるで方眼ノートに書いたように、縦横の文字がきれいに揃い、文書全体に安定感がある。またこのことで、一行に入る文字の数も、文末に読点がくる場合を除き、全ての行において共通している。1マスに1文字という、日本独自の言語処理法が反映されたものといえる。
一方Wordはというと、普段からよく使っていながら今さら読みにくいというのもなんだが、一太郎の文書に比べると、いまいち安定感がない。今書いているこの文書自体にもいえることだが、文字によって一文字あたりが占めるスペースがバラバラであるため、上下の文字がきれいに揃わない。よって、横に線を引くことはできても、縦に線を引くことはできず、先に指摘した一太郎の、方眼ノートに書いたような文書は書けない。また、一行に入る文字数も行によって多少異なる。
上記のように比較していくと、一太郎ばかりがいい様に見えてくるが、今までWordを使っていて、どうしようもなく不自由したことはない。見た目の安定感があるかないかという感覚も、長年1マスに1文字という文書の形に慣れてきた日本人としての私の感覚なので、海外出身のWordソフトに、その安定感を求めても仕方がないような気もする。
2、 一太郎が果たす日本語印刷の効率化
一太郎のワープロ文字は、原稿用紙と同じく全角を一単位としてカウントされるため、原稿用紙に書いた文字数の計算法を、そのままワープロ文書の文字数・ページ数の分量計算に転用することができる。そのため、原稿用紙の文字分量から、その原稿をワープロ打ちして印刷したときのページ数・文字数を、安易に計算できる。このことは、大量印刷などの際に事前に印刷する用紙分量の把握や、指定された紙面にぴったり収めなければならない場合などに、印刷を効率化するものではないか。
また、原稿用紙などに手書きで書かれた文章をワープロで打ち直す際、例えば400字詰め原稿用紙の2行分の文字が、A4番のレポート用紙の1行分に相当するということが明らかならば、原稿用紙に文章を書く人は、常にその文章がワープロ打ちにされて印刷されたときの印刷ページ数や、ページごとの文字の総数について事前に計算しながら書くことができる。しかしこれには一太郎のような、1マスに1文字という、全角を一単位として文字数を計算できるワープロソフトが必要だ。
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ところがWordのように、行によって40字入る行もあれば、38、39字しか入らない行もあるという、常に全角を一単位としてカウントできないソフトにおいては、原稿用紙の文字数の計算法をそのままワープロ機能に用いても、ページ数・文字数の過不足が生じてしまい、印刷に効率的とはいえない。