小宮豊隆『夏目漱石』は、奥付に拠ると、昭和13年6月25日印刷、7月1日第一刷發行となっている。従つて、以下のゲラへ記入されている月日は、昭和13年の月日である。月日のうち、太字になっていない日の00は、判読できない部分。ゲラが製本された結果、この部分がノドの奥の方へ食い込んでいる。
4月18日に初回のゲラ、最後が5月26日に出た。これに小宮は大幅な手を入れ、新資料を追加、ひんぱんに「要再校」を求めたが、奥付の印刷日6月25日までには1ヶ月程度である。実際の印刷・發行日はだいぶ遅れたと思はれるが、それにしても強行軍であった。